自主企画 核のない地球@9条

子どもたちに伝えるためのワークショップ
2008年5月5日 午前10:00~12:30
101会議室
主催:日本YWCA

日本YWCAは、9条の考え方が多くの人々に伝わったら、「生命(いのち)のバトンをつなぐ希望」とすべての人々に「夢を語る力」を与えられることを信じて、9条に子どもたちに伝えたい方を対象に、参加型の朗読ワークショップを行いました。「生命のバトンをつなぐ希望」とは、私たちが住んでいる地球上のすべての生命のサークルが核の被害や殺し合いによって途切れることがないように繋がっていくこと、「夢を語る力」とは、将来こうなりたいとかこんな生活だと楽しいとか、すべての人びとがより良い方向に変化できると信じて、将来に夢を描くことです。


参加者には、日本語と英語で書いたシナリオを配布し、一人一役を担っていただきました。人数が多かったため、役があたらなかった方や途中参加の方も、最後の場面で全員が語り合う時間を設けたので、感じたことや考えていることを短い時間ながらも互いに分かち合うことが出来たかと思います。


シナリオは大きく分けると次の6つの場面で構成し、音、映像、光で表現し、証言に耳を傾けながら進めました。


(1) 戦争がどのようにはじまっていったか
(2) この日本がアジアでどのようなことを行ってきたか
(3) 広島、長崎への原爆の投下
(4) 敗戦、そして憲法第9条の誕生
(5) 戦争が終わった喜びもつかのま、核拡散の時代のはじまったこと
(6) 歴史を学びつつ、平和をつくり出そうとする人たちと出会った子どもたちが、希望をもって平和な地球、核のない地球にしようと歩み出している姿の紹介


参加者の中には子どもたちの姿もありました。ファシリテーターが「劇みたいだけれど、これは全部本当のことです。思い出すのもつらく悲しい経験を、私たちのために話してくださる方もいます。シナリオを読みまちがえても大丈夫!ゆっくりと言葉を大切にしながら読んでいきましょう。よく聞いてよく観て、みんなで一緒につくり上げていきましょう。」と語ると、子どもたちも担当した役を上手に演じ朗読していました。子どもたちだけでなく、大人も、「感情をこめて読まなくちゃ!どんな感じなんだろう」と与えられたセリフに想像力を膨らませて取り組んでくださいました。


今回のシナリオは、世界中のどこにおいても、アレンジしながら用いていただけるようにしていますので、ぜひ子どもたちと一緒に、核について、9条について、考える時間をもっていただきたいと思います。子どもたちに伝えることは、知識や理論を論じ合うのではなく、心に届くことばを届けていくことです。もっとも大切にしたいことは、肌の色や言葉も違う人たちの出会いを喜び合い、互いの思いや言葉に耳を傾けること。それが9条の考え方であると考えるからです。


このワークショップに、ベティ・リアドンさん(「平和教育国際学会」創設者/アメリカ)も参加いただきました。「とても意味深く、心に響くワークショップであったこと。日本の人たちが侵略戦争の反省に立って、今平和を築く努力をされていることをあらためて知ることが出来た」と語ってくださいました。


参加者には、最後に9条世界会議で未だ出会っていない人たちやこの会議を知らない人たちに向けてのメッセージや、ワークショップに参加して感じたことをハート型の紙に記して、会場の真ん中に置いた地球儀に貼っていただきましたので、一部を紹介いたします。



★「世界の平和な均衡は、武力や軍隊で保たれているのではなく、人間同士の信頼によってこそ成り立つ。人間にはそのことに気づく力とそれを実現できる力がある。一人ひとりがそれを確信すればPEACEです!」

★「いくら9条が大切といっても、なんとなくピンとこない人がほとんどかと思います。自分の問題、国の問題、世界の問題として受けとめて考えていくためには、まず、戦争の事実を知ることが大切であると、今日思い知らされました。まず、"知ろう"としてください。」 20歳女性

★「ぼくは、第9条をまだ知らない人たちに伝えて、この世界が武力のない平和な世界になるようにがんばりたいです。」 11歳

★「9条は愛のメッセージだと、このワークショップで強く思いました。子どもたちが笑顔で暮らせる地球を一緒に作って生きましょう。そしていろんな人たち一緒にお食事しましょう。"9条"を体験できたワークショップに感謝!」


資料:ワークショップ・シナリオ


(文責:西原美香子)
投稿者:金熊 | 分科会レポート | comments (0) | trackbacks (0)

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